Honda R&D F1パワープラント開発責任者 櫻原一雄さんに聞く(2007.1.27放送)
*栃木県芳賀町のホンダ技術研究所でお伺いしました
Q1櫻原さんがF1に関わりはじめた時期は?

1998年に第三期プロジェクトが開始と共に、量産エンジン部門から移りました。

Q2当時の環境は如何でしたか

92年以降凍結していてのスタートでしたので、6年間の空白は大きく感じました。
その間は「無限」がエンジン供給をしていましたが、そのサポートとしていましたので
0ではありませんでしたが・・・それにしてもライバル勢がかなり進んでいて大変でした。

Q3どんな点が変わって、苦労しましたか

如何にコンパクトで軽量化するか、パワーが出れば良いというものでもなく、
マシンの邪魔にならない一体化した「エンジン」を造る必要がありました。
ですからスタートした直後、2000〜2001年はトラブルも多く、2002年はバンク角を広げたり
様々なことにトライしましたが・・・更に新材料の投入もプラスして2004年にはコンストラクター
2位と好成績を挙げることが出来ました。


Q4その後、レギュレーションの変更が次から次えと発表され、その対応も苦労した?

私達はレース屋(コース上の戦い)では無いので、技術屋はそうしたレギュレーションの変更
に如何に迅速に対応し、最良の物を造るか使命であり、楽しみであるので、苦労とは思いません

ただV10からV8に移行した場合など、投入直後は部品の品質に多少のばらつきがあって、その
部分が症状として出る場合もありました。


Q5 櫻原さんは毎回どこでレースは観るのですか

何回かサーキットへ行くこともありますが、基本的には日曜の夜(ヨーロッパラウンドなど)なので
自宅のTVとPCでチェックしています。しかし楽しんで観ることは出来ません。
万一緊急事態発生の場合は、ホットラインが鳴り、画面上でも想像は出来るので、それを元に月曜日から
具体的な対応に入ります。

Q6 2007年のエンジンは万全ですか

エンジン開発が凍結と言ってもまだまだ開発の余地はあります。昨年シーズンの終わりに基本となる
エンジン1基をFIAに提出してあり、その後、事前申請した改良部分の完成エンジンを3月1日にFIAに
持ち込みます。それが今年から使用する「エンジン」です。しかし昨年の鈴鹿、ブラジルの2戦に
今年予定していたエンジンを前倒で投入しましたのでかなりのアドバンテージはあると思います。


Q7 スーパーアグリの戦いぶりについて、亜久里さんへのメッセージ

2005年11月にファクトリーを訪ねた時は影も形も無かったのが、バーレーンのグリッドに並んだのは
嬉しかったです。 また敬服しました。 また今年厳しい1年が始まりますが、体に気お付けて頑張って下さい。
また私も微力ながら力を出したいと思います。

Q8 F1エンジンの魅力は「音」にある?そしてライブで聴きたいですね

それは大いにあります。F1エンジンは良い音です。私達もその「音」でエンジンの状態が良く判ります。
各チーム聴き比べも楽しいです。是非、実際のサーキットへいらして1度聞いてみてください。


Q9 今後F1エンジンはどう変わっていくでしょうか

エンジン開発凍結と言いますが、既に現実的には2009年に目を向けています。それは燃料問題です。

2010年はその新しいエンジンを投入、2011年は直噴ターボ・・みたいな話も出ています。環境問題も
大きいですね・・・ですから凍結といって休んではいられません。


櫻原さん、お忙しい中、ありがとうございました。
櫻原一雄さん
2000年当時のエンジン